教育評価測定論領域では、情報技術を活用しエビデンスとデータにもとづく、より良い教育プロセス・学習環境をデザイン・アセスメントするための基礎を学びます。
教育評価測定論領域は教育に関する様々なデータ・情報の生成・分析・評価を行い、 教育のさらなる向上に資するために新設された高度専門的人材育成領域です。 組織の概要・構成・大まかな所属人数は以下の通りです。
「項目反応理論(Item Response Theory: IRT)によって、学力テストや心理テスト(尺度)を分析することについて研究を進めています。 身近なテストでは、「英検」や「TOEFL(大学の英語を使用および理解する能力を測定するテスト)」、「日本語能力試験」など様々なテストの得点が、項目反応理論に基づいて算出されています。 項目反応理論を用いることで、「複数のテストを相互に比較可能」にしたり、「コンピュータを用いたテスト(Computer Based Test: CBT, Computer Adaptive Test: CAT)」の基礎を支える、 といったことが可能になります。項目反応理論の分析を行うためのコンピュータプログラム「EasyEstimation」の開発も行っています。
人間の言葉をコンピューターで扱う自然言語処理という学問と、AI技術の教育応用を専門とする研究室です。情報科学と教育学の高度な知識とスキルを身につけられる文理横断の教育カリキュラムを取っています。 言語処理 ✕ 教育アセスメント:人間の知的活動の表出であるテキストデータ使って人間の思考力のアセスメントを試みています。 書籍、ブログ、会話、試験の採点データ等の大規模データを背景に、統計や人工知能を用いた高度な情報分析技術で人間の思考の過程に迫り、人間の客観的な能力評価や人工知能技術の発展を下支えする研究を行っています。
令和6(2024)年度より新設された研究室です。専門は心理統計学,教育測定学です。 例えば,性格特性や学力,知能など,実体のないものを研究の対象とする学問領域だからこそ,それを測定し,またそれらの関係性を検証するといった目的のために, 科学的なアプローチが重要な役割を果たします。 心理学や教育学など社会科学の研究を支える道具である,統計手法や数理モデルについて理論と実践の両面から研究しています。 主な研究テーマは,さまざまな多変量解析の手法を下位モデルとして表現できる構造方程式モデリング(structural equation modeling, SEM)の理論と応用, 測定の信頼性及び妥当性の検討などです。
令和7(2025)年度より立ち上げた、教育評価/アセスメントとカリキュラムの研究を主に扱う研究室です。 この研究室では、学校教育をめぐる様々な問いを経験的・思弁的どちらの観点からも研究することができます。 専門としている教育アセスメントは、評価という営みを個人の能力形成や測定にとどめることなく、未来志向で価値創造的な社会的実践として解釈する領野です。 とりわけこの分野が力を発揮するのは、「道」も「目的地」も厳密には設定できない(教授学習を制御の一種とみるサイバネティクス的見解と対極にある)創造的な学習環境において、「評価とは何か?」「なぜ評価なのか?」といった哲学的で根本的な問いに教師や子どもや研究者が直面せざるを得ないときです。 教育や学習を扱う以上避けることのできない評価の在り方について、ぜひ一緒に考えましょう。
4研究室合同でゼミを行っています。主に、学部4年生、修士1、2年生による卒論及び修論の中間発表を行っています。活発な意見交換を通じて研究アイデアをブラッシュアップしています。
本領域における学部3年生以降のスケジュールのイメージは以下のとおりです。
大学院では自然言語処理の手法を活用し、学習者が記述した文章を分析する方法について研究しました。 現在も、生徒が日々蓄積している振り返りの記述を分析し、授業改善に活用しています。また、アセスメントやテスト理論について学んだことにより、「何のための評価か」「何のためのテストか」さらには「これからの学校の在り方とは」を日々考えるようになりました。
派遣研修を通して、現場では知る機会のなかったテスト理論やIRTに触れ、現場で実施するテスト等のデータ分析の視野が広がりました。 また、最新の知見を学べたこと、情報収集力が向上したことで、エビデンスに基づいてICT活用や授業改善を図ることができるようになりました。
現場で日々の教育実践に追われていた私にとって、この派遣事業は「教育に関する学び直しの機会」として大変有意義なものでした。 特に、アセスメント、情報リテラシー、統計科学などに関して知見を深めることができました。この経験を、宮城の児童・生徒に還元していきます。
三菱化学, トヨタ(スマートシティ), 公文教育研究会, オリエンタルランド, ファーストリテイリング, 富士通, 楽天
小学校教員(社会人), 学術研究員, リクルートマネジメントソリューションズ, ベネッセ教育総合研究所等, 日本IBM, NTTデータ先端技術, 日本電気(NEC)